筋トレで使用するサプリメントとしては、BCAAが有名です。筋トレ初心者でも、プロテインとBCAAを併用して使用している人は多いでしょう。
しかし筋トレ上級者の間では、EAAのサプリメントを愛用している人も多くいます。

EAAとはEssential Amino Acidsの略で、必須アミノ酸のことです。
EAAに含まれる9種類のアミノ酸は体内で合成できず、通常は食物から摂取する必要があります。
このEAAを含むサプリ、はたして筋トレにどのような効果があるのでしょうか。

EAAの効果とは?

EAAは、9種類の必須アミノ酸のことです。
イソロイシン、スレオニン(トレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、リジン、ロイシンからなるこれらアミノ酸は、人体では生成できません。したがって通常は食物に含まれるたんぱく質を、アミノ酸に分解して吸収する必要があります。

EAAに含まれるアミノ酸の効能のうち筋トレ関連のものをあげると、イソロイシンには筋肉強化や疲労回復、スレオニンには成長促進や肝機能サポート、トリプトファンには精神安定、バリンにはタンパク質合成、ヒスチジンには成長促進やストレス軽減、フェニルアラニンには鎮痛効果、メチオニンには肝機能サポート効果、リジンには免疫力向上、ロイシンにはタンパク質合成や筋肉強化といった機能があります。

これら以外にも人体の働きを正常に保つさまざまな機能を持っているため、筋トレ目的のみならず、健康にとってはなくてはならない成分なのです。

EAAサプリには、これら9種のアミノ酸、またはトリプトファンを除いた8種のアミノ酸が含まれています。
アミノ酸が8種の製品があるわけは、アメリカでトリプトファン製品が販売禁止となっているためです。

EAAの効能としては、特に筋肉の合成に効果が高いといわれています。
EAAをサプリメントでとるメリットは、ひとつには食物からとるよりも人体への吸収が早いからです。

そのためトレーニングの直前直後などに摂取すると、その効果を上げることができるでしょう。
また吸収しやすいことで、消化器官に負担をかけないという利点もあります。
さらに食物からとろうとした場合には、脂質などを余計にとりすぎてしまいますが、EAAサプリを使用すればそれを避けることが可能になります。

EAAの摂取タイミングは?

必須アミノ酸を食物から吸収しようとするとタンパク質から分解するというひと手間が必要になりますが、EAAサプリを使えば必須アミノ酸を直接吸収できます。
そのため食事のように、トレーニングとの間に時間を空ける必要がありません。
したがってEAAサプリの摂取タイミングは、トレーニングの直前と直後がよいでしょう。

トレーニングによって傷ついた筋肉は、すぐにアナボリック(筋肉を合成する作用、蛋白同化)に働きますので、必須アミノ酸は時間をおかずに摂取するほうがよいのです。
そうすることで、アナボリックのタイミングを的確にとらえて、アミノ酸を筋肉に補給することが可能となります。またカタボリック(筋肉分解)を防ぐことにもなるのです。

パウダー状のEAAは通常、水などの飲料に溶かして飲むようにします。
トレーニング中に消化器官に負担をかけないためにも、トレーニング前にプロテインなどと一緒にとることはやめたほうがよいでしょう。

(参考:プロテイン摂取の効果とは?摂るタイミングはいつが良い?

トレーニング前は、胃を空の状態にしてEAAなどのアミノ酸パウダーをとるようにします。
EAAパウダーを飲みやすくするために一緒に飲む水などは、製品によっては量を指定してあることもあります。
しかし多すぎると感じた場合は、個人の好みに合わせて量を減らしても、特に問題はないようです。
水の量が多くてトレーニングに支障がでるようであれば、少量の水に溶かして飲むようにしてください。

BCAAとの違いは?

BCAA(Branched Chain Amino Acids)も必須アミノ酸です。
ロイシン、イソロイシン、バリンといった三種のアミノ酸からなっています。
構成からわかるとおり、BCAAはEAAの一部なのです。つまり9種の必須アミノ酸であるEAAは、BCAAを含みます。

BCAAであるロイシン、イソロイシン、バリンは、フリーフォームと呼ばれる単独のアミノ酸であり、体内への吸収がフリーフォーム以外のアミノ酸も含むEAAよりもさらに早いといわれています。
そのために、EAAのサプリメントとBCAAのサプリメントでは、摂取のタイミングに違いが出てきます。

一般にEAAサプリはトレーニングの前後、BCAAサプリはトレーニング中にとるとよいとされています。
BCAAは吸収が早いだけでなく、消化や分解をする必要がないため、トレーニング中に消化器官に負担をかけることもないからです。

ではBCAAサプリだけを使用すれば良いのでは、とも考えがちですが、そうではありません。両者はその効能に違いがあるからです。
EAAは主に筋肥大、BCAAは筋肉分解を抑制するといった働きをするのです。

EAAサプリにもBCAAは含まれるわけですが、その量はBCAAサプリに較べれば少ないため、両サプリは使用目的に応じて使い分ける、あるいは併用する必要があるということです。

(参考:BCAAとは?効果は?摂取量の目安・摂取タイミングは?

EAAは筋肉を増やしたい人が飲む?

EAAを摂取してトレーニングをすると筋肉量が増えるということは、研究の結果によって証明されています。
EAAは、わずかな量で筋たんぱく質の合成を促すといわれているのです。
したがってEAAサプリは、筋肥大を目指す人にとって、有用なサプリであるといえるでしょう。

さらにそれだけではなく、EAAには筋肉の疲労回復、肝機能サポートといった効能もあります。
ハードなトレーニングをしている人の肉体的ダメージを軽減してくれる作用が期待できるのです。
さらには鎮痛やストレス軽減といった効果をもつアミノ酸も含まれているので、筋トレ実践者の精神的なサポートにも効果が見込めるでしょう。

EAAにより筋肉を増やすには、トレーニング後よりもトレーニング前にEAAサプリを摂取した方が、より効果が高いともいわれています。
そのため筋肥大だけに目的を絞るならば、トレーニング前にEAAサプリを摂取するようにしたほうがよいでしょう。

EAAは高齢者においてもその効果が確認されています。
したがって筋トレ実施者のみならず、筋力の衰えにより生活に支障が出てしまうような高齢者に活用する、といった使い方もあるのです。

また怪我などで障害を負った患者のリハビリテーション期にEAAを使用し、骨格筋量と機能を維持させるといった使い方が医療の現場ではなされていることからも、筋肉に対する効果をうかがい知ることができるでしょう。

まとめ

EAAは9種の必須アミノ酸のことです。筋トレ実施者の間でよく知られているBCAAも、EAAに含まれます。
EAAは特に筋肉を増やす効果が高いといわれていますが、他に疲労回復や肝機能サポート、ストレス軽減などといった効果も期待できます。

EAAは食物からとるアミノ酸と違い消化分解の手間がかからないため、摂取する時にトレーニングとの間に時間を空ける必要がありません。
トレーニングによって傷ついた筋肉は、すぐにアナボリックに働き始めるので、EAAサプリはトレーニングの直前か直後にとるようにするとよいでしょう。
そうすることで蛋白同化を促進すると同時に筋肉分解を防ぐこともできます。

EAAとBCAAの違いは、摂取タイミングと主な効能です。
摂取タイミングについては、EAAよりさらに吸収の早いBCAAはトレーニング中に、EAAはトレーニング直前直後にとるようにするのが一般的です。
効能としては、EAAは主に筋肥大、BCAAは筋肉分解の抑制といった違いがあります。目的に応じて、それぞれを使い分けるとよいでしょう。

EAAは筋肉を増やしたい人が飲むのによいサプリメントですが、人体必須のアミノ酸なので、それ以外のさまざまな効能もあります。
またEAAは、筋トレ実践者だけが使うのではなく、高齢者やリハビリ患者の筋力維持といった目的でも使用されています。

医療現場でも使用され、また研究でその効能が証明されているEAAは、筋肉を増やしたいという人にたしかな手応えを感じさせてくれることでしょう。